「名月」 名月のその月明かりに照らされて 帰宅を急ぐ田圃の畦道。 実りたる稲穂に附いた露玉に 月の光が照り返し 辺り一面黄金の原になる 道草の間に隠れし秋虫の その音も黄金を散らす音に聞こえる 嗚呼これが真の黄金 本物の黄金より尊いお宝よ 嗚呼、大和の国に生まれし我が身を幸福に思う。 藤次郎正秀